Q:40歳になり「肌の年齢」を感じるようになってきました。食生活はできるだけ野菜をたくさん摂るよう意識して改善につとめているのですが、他にも注意することがあれば教えてください。
A:食事は、蛋白質とビタミン、ミネラルを十分に採ること、食事以外では、睡眠をよくとることと、紫外線対策をしっかりとすること、保湿をすることです。もう一つとても重要なのが、「喫煙の影響」です。もし、たばこを吸うのであれば「禁煙すること」が大切です。意外と知られてないタバコと皮膚の関係について、以下にまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。
たばこが皮膚に与える影響
最近の研究で、たばこの煙は健康を害するだけでなく美容にも大きな悪影響を及ぼすことが明らかになってきました。
・上まぶたが下がる
・下まぶたがたるむ
・目の下の「くま」や「ほうれいせん」が目立つ
・血色が悪い
・やつれて病的に見える
・歯肉が黒ずんでいる
・シミが濃くなる
・皮膚にはりが無く、シワが目立つ
こういった症状はタバコの煙や喫煙という習慣が及ぼしている可能性が非常に高い事が知られています。喫煙する方は「禁煙すること」がお肌の老化対策になるのです。
喫煙が肌に及ぼす影響
タバコには約200種類の化学物質が含まれているといわれています。当然この中には発がん物質も多数あるわけですが、たばこの害はがんリスクの増大だけではありません。
喫煙すると活性酸素が増加し、肌荒れを起こしたり、顔のシミやしわといった深刻な肌老化の原因となるのです。
また活性酸素はビタミンCを消費するので、せっかく美肌のために野菜や果物から摂取したビタミンCも無駄に消費されてしまいます。
ビタミンCは風邪やストレスから私たちの体を守る抵抗力の源でもあります。したがって喫煙はお肌だけでなく身体全体に悪い影響を及ぼします。喫煙には良いことは何も無いのです。
「スモーカーズフェイス」とは?
「スモーカーズフェイス」とは、肌と喫煙の関係が注目されるようになってから作られた言葉で、喫煙により肌本来のうるおいやハリ、透明感を失ってしまった顔のことです。
喫煙をすると血管が収縮し、一酸化炭素による影響で肌の細胞に必要な酸素が行き届かなくなるのです。その結果、肌の新陳代謝が低下します。顔色も悪く、目のまわりも黒ずんで見え不健康そうに見えるようになってしまうのです。
タバコは「老化促進剤」とも言え、たばこを吸わない人より5~10年早く老化が進むという研究結果もあります。
対策は「禁煙すること」
喫煙による肌老化を防止したければ、「禁煙」するしかありません。
皮膚科の病気のなかにも、「禁煙」をすれば明らかに症状が改善されるものも多くあります。
今では禁煙のための薬(禁煙補助薬)も多数開発されています。当院では、お肌の悩みをお持ちで喫煙の習慣がある方には、禁煙を強くおすすめしています。
喫煙は「たばこをやめられない」という依存症でもあります。
どうしてもやめられない場合は、総合病院や内科の「禁煙外来」を受診しましょう。