シラミは終戦直後に大発生し、問題になりました。その後は、生活環境の改善や殺虫剤の普及によってその姿も消え騒がれなくなりました。
ところが最近、海外旅行が盛んになるにつれ、海外から日本に帰ってくる際、シラミも持ち込まれるようなのです。
日本でもよく知られているのが「コロモジラミ」「アタマジラミ」「ケジラミ」の3種類です。
「アタマジラミ」は、長さが2~3mmで、頭の毛髪中に住み、頭皮から吸血し、かゆみを引き起こします。
卵は、長さ約0.5mmの乳白色で毛髪から簡単に取れないように、毛根より1~2cmのところにしっかりと産みつけられています。
卵は1週間で幼虫にかえり、さらに2週間たって成虫になります。成虫の寿命は1か月です。
子供たちに「アタマジラミ」がうつっている場合、駆除は家庭と学校の両方で行う必要があります。具体策は次の通りです。
(1)毎日、洗髪を行ってください。子どもが1人で十分に洗えない場合は、親が丁寧に洗ってあげる必要があります。
(2)毎日、卵や幼虫がいるかどうか、チェックしてください。卵が付いている毛があれば、それを切り取って処分してください。
(3)クシやブラシ、タオルなどの共用は避けてください。枕カバー、シーツ、パジャマなどは毎日取り替え、よく洗濯してください。
(4)家庭はもちろんのこと、学校の更衣室などでうつる場合がありますので、各部屋の掃除も十分に行う必要があります。
(5)殺虫剤では、成虫に効く「スミスリンシャンプー」が市販されています。ただし、卵には効きません。
※皮膚科では診断の後、かゆみを取り除く治療を行います。虫の駆除は家庭で行う必要があります。
卵とよく似たヘアーキャストや脂肪のかたまりが髪についていることがあります。これは
毛根近くの頭皮が髪に沿って上がってきたものです。卵とみ間違えやすいので注意が必要です。